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診療報酬改定を見誤るな-本命は新しい地域医療構想にあり

メディサイト 松村 眞吾

 新しい診療報酬が適用されるようになって1ヶ月近い日が経った。物価高騰が加速される中、この改定では追い付かないという悲鳴の声も聞かれるが、何を見て、どのように考えるべきであろうか。高度急性期はいよいよ機能強化を目指し、一般急性期(市民病院など300床規模)は地域の真ん中の「総合」病院化を図り、200床未満の包括期などは連携強化で「下り搬送」受入と高齢者救急、在宅支援強化を図っていく。診療所では、可能であれば、在宅充実体制加算を算定できるようになりたいが難しい…ハードルが高くなって廃業するところもあるという…「かかりつけ医」機能評価は無くともデータ提出加算が布石と考えて取り組みたい。病院一般では救急の取り合いが見られ、医療介護連携の強化を図る動きもやっと見られるようになった。そんなところだろうか。

 地域に根付く中小病院などは、いや中規模クラス(上述した300床規模など)を含めて、地域連携室、入退院支援チームへの期待が高まる。今回の診療報酬改定は人口減少超高齢化の加速を踏まえた新しい地域医療構想の実装を目指した号砲と、理解したい。急性期の定義が様々になっていっている。大学病院などの高度急性期から肺炎などの(特に高齢者に多い)よくある疾患を受け入れる地域の急性期など、さらに在宅療養支援における急性増悪対応など等。地域急性期では高度急性期からの「下り搬送」を引き受けるのも大きな使命であるし、もちとん介護連携は欠かせない。連携と(院内と地域における)多職種協働が必須の課題となって来る。人口減少と超高齢化の加速を踏まえて、つまり単純な疾患構造から複雑な疾患構造に重点が移ることを踏まえて、急性期病床の削減と多様化を進めようとするメッセージを読み取らなければならない。高齢者は療養と生活が一体化するから、「かかりつけ医」との連携も欠かせない。大学病院から診療所、地域包括支援センター、介護施設やケアマネなど、関係するあらゆるところと連携を図っていくのが生き残りの、そして地域から必要とされる医療提供に努力しなければならない。

 国は医師数適正化(偏在はあるが数は足りているという認識)を図ろうとしている。一部識者は、高齢化による疾患構造複雑化は医師を増やすことこそあるべきと言う。ただ、医学管理ニーズだけが増えていくのではない。医師の過重労働是正(ワーク・ライフ・バランス)も行っていかなければならない。そのためにもタクスシフト/シェアを図っていく必要がある。救急現場でも救急救命士活用などでの対応が見られる。これは応需率を上げることにもつながる。地域連携が、入退院支援看護師が、ソーシャルワーカーが「やる気」になっている病院は連携が進む。PFM(Patient Flow Management)を上手く回すことにもなる。実現させている病院もある。

 新しい地域医療構想を想像してみよう。支える人口が減って一方、複雑化した疾患構造の高齢者(それも超高齢者の)患者が増えていく。急性期病床を減らす、様々な事態に対応できるよう「急性期」を多様化させる。早期リハから円滑な在宅復帰、療養生活に向けての医療提供体制を整える。そのための仕組みをつくる。そんな変化に、新しい体制に適応していくためには、繰り返しになるが連携強化と多職種協働が重要となる。 地域との共生というか地域における医療機関の在り方、医療介護連携の詳細などについては別稿に譲りたい。

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