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コラム
 
 バンダナ帽開発の道のり
  (有) アクティア
代表 松村 敦子

【 自己紹介 】
 私は、「アクティア」という名前の会社をスタートしたばかりの松村 敦子です。 患者目線の『"あったか心"モノづくり』を提案したい会社です。  

【 主婦の脱皮から 】
 3年前 私は、長らくの専業主婦を脱皮して メディサイトで働き始めました。翌、 2003年、患者を対象にした「衣・食・住」のアンケートが東京の病院で実施され、それを目にした私は そのアンケート結果を基に、患者向け「医の衣」、つまり 病院で必要な"パジャマと その周辺のもの一式"を作ってみました。私は昔、中学校で家庭科の先生(パジャマ制作指導)をしていた経験も生かせました。  

【 国際モダンホスピタルショウ 】
 その試作品を"快適な工夫パジャマ"と題して"国際モダンホスピタルショウ"で展示させてもらったところ、会場では黄色い奇抜な 私のパジャマが、ひと際来場者の目を惹き、ユニークで楽しくなるような、工夫が盛りだくさんな「衣」。これこそが 患者には大切である、と各種メディアや業者さんからも 非常に注目して頂きました。

【 お願いコール 】
 また一方では、当日ご来場に なれなかった一般の方々(入院中の患者やその家族)から「展示品をそのまま買いたい」「同じものを作って送って欲しい」といった問合せが 連日殺到しました。受けとった問合せ電話の向こう側から、つぶさに伝わってくる お一人、お一人の"優しい お気持ち"と"強いご要望"から、私は もう これ以上じっとしては おれなくなったのです。人は 皆それぞれに、大切な家族・友人がいて「届けてあげたい」「着せてあげたい」そして「喜ぶ顔が見たい」との思いを持っておられるのです。  

【 私と義母 】
 私と義母とは 非常に相性が合って、「実の母娘」以上のあたたかい暮らしを20年近く続けてきました。私にとって義母は、かけがえのない女性(ひと)です。 約6年前、ある日 腹痛を訴えただけの母に 突然ガンが宣告されました。それからと言うもの、入退院を繰り返すごとに 抗がん剤を受けた母は、目に見えて衰弱し、そして「脱毛」しました。当然ながら、自慢の笑顔も見られなくなりました。  

【 私で出来ること 】
 私は 医者でないから病気は治してあげられない。けれども何とか私に出来ることはないか、母に 少しの微笑でも取り戻してもらいたい。そんな一途な思いから、看病しながら、私は 枕元で 母に似合いそうな帽子を手作りして縫っていました。患者を対象にした「衣」のアンケートを目にしたのは、まさに そんな時だったのです。私が、知らない方々からの問合せ電話に 自分と重ね合わせ 思いを馳せ、心を痛めたことが お分かり頂けたでしょう。

【 商品化の苦労 】
 「商品化」する、と決心した私は、当初 予定していなかった商品開発部"を 社内に設けてもらい手探りでスタートしてみました。アパレル業界は、今も非常に閉鎖的で、取引実績のない私などとても相手には してもらえませんでした。生地メーカーに尋ねても、工場を訪ねても、話を聞いてもらえるチャンスすら 与えて貰えませんでした。それでも私は「商品化への道」をひたすら歩みました。「繊維トレンド」5、6月号(東レ経営研究所)では、辛かった商品開発の道のりを6ページ寄稿させて頂きました。 < 本コラムでは"苦労話"は省略 > 幾山も越えて、ようやく"患者の声"を"形"にした「バンダナ帽」「工夫ベスト」を商品化することができました。  

【 アクティアの誕生 】
 「くじけず思いを貫いた」そのことが評価され 大阪府からは"社会貢献性の高い活動"としてベンチャー支援(テイクオフ大阪21)の認定を頂きました。 こうして私は メディサイトから離陸し、新会社「アクティア」を始めたのです。  

【 akkoの思い 】
 患者目線の『"あったか心"モノづくり』を提案したい会社 を始めるに当たり、 私には 1つの"思い"が あります。「患者の衣」をプロデュースすること、それは非常に"センシティブ"な働きかけです。"患者用のもの"として枠を括ることが、間違っていると思うからです。例えば、お見舞品を届けてあげる時、 相手が「ガンでないこと」「必ず治ってくれること」をひたすら祈っているならば、プレゼントが「患者用アイテム」だと感じさせるような無神経なものでは、絶対に困ります。そこが大事です。

 私は"工夫のあるファッションもの"を開発しようなどとは思っていません。あくまでも"患者の声"を"形"にしたものを開発していきたいです。一貫するキーワードは"あったか心"(略して"akko")です。 「バンダナ帽」「工夫ベスト」には、元気の出る赤色の"akko"マークが 付いています。そこが自宅であっても、旅先でも、出張先でも、または入院先でも、 "あったか心"が大切な人に きっと届くといいな。と思いをこめて、そのことが 手にされた方の 何らかの心の支えに して頂ければ・・・と今日も"あったか心" akko「バンダナ帽」を ていねいに 出荷した私です。
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