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コラム
 
病院経営企画室長への道(第2回)
社会医療法人病院経営企画室長 I氏
 病院経営企画室は厚生労働省が繰り出すさまざまな施策をどう読み、どう捉え、一歩先取りするかという視点から病院の方向性を指し示す必要があります。
 そのため行政の動きには敏感に反応しますし、その議論のプロセスも押さえておきます。
現象面だけを追うと次のステージが読めません。ですから「どうしてそうなったのか?」を常に意識してチェックを怠りません。
 また医療法や療養担当規則、医師法など医療関連の法律には精通しておいた方がよいでしょう。また歴代の医療法改正の流れもちゃんと押さえておきます。

 よく訳知り顔の事務長さんが、厚労省が繰り出す方向性を「ハシゴを外されるから昇らない」と豪語している場合もあります。しかしハシゴを登らない限り、いずれ沈んでいきジエンドになります。危ないから乗らないのではなく、どのハシゴを登れば将来も優位に自院が立ち回れるか?という観点でハシゴを選べばいいのです。昇らないと豪語するのは、実は行政の先が読めていないという自白をしているようなものです。

 病院経営はPDCAを回すだけではダメで、やはり次のステージを見据えて準備をする必要があり経営企画室の重要な役割と私は思っています。

 また次のステージに向かうための世論作りも重要です。私はナースが行う病棟会議に参加します。やはり院内の最大勢力は看護部であり、病棟ナースの持つ力は尋常ではありません。ナースを味方に付けること。医師は当然としてこれも経営企画室では重要でしょう。
 次に大学の動きも重要です。多くの病院が大学医局の派遣に頼っている以上、大学の動きは病院を大きく左右します。できれば医局には定期的に通い実際の大学のスタンスを肌で知っておく必要があります。また何気ない一言から類推していく裏読みも必要です。

 後は院外の事情に明るくなることです。病院はやはり地域の中で生きて行かなければなりませんから、地域の実情を知る必要があります。
 私は自分から患者さんや近隣の方に声をかけコミュニケーションを取るように心がけています。できれば商工会などにも顔を出すといいでしょう。経営企画室は机の上で戦略を練ったり数字を分析するだけでなく、数字にできない住民感情もつかんでおく必要があるからです。

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