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コラム
 
病院経営企画室長への道(第3回)
社会医療法人病院経営企画室長 I氏

 さて病院を経営・運営する中でそれぞれの幹部の責任は何でしょうか?
諸説あると思いますが、私は医療法人病院では理事長:経営責任者 院長:診療行為の責任者 事務長:病院運営の責任者と考えています。つまり経営企画室及び経営企画室長は「経営」ですからどうしても理事長に向かって仕事をすることになります。ですから理事長の直下もしくは 法人本部事務局に属する立場でなければ十分な働きはできません。
事務長下に置くと「運営」の一翼を担ってしまい、本来の機能を失います。
 
 ただ院内展開は当然 事務長が主体となりますから、事務長が院内展開するために必要な情報を提供する役割を担ったり、進捗管理のサポートを行います。ただ事務長のアクティビティが低い場合は推進も併せて行う場合がありますが、あくまで顔は事務長でなければなりません。まさに黒子に徹することになります。

 また経営企画室はどんどん現場に出てヒアリングや病院の方針を伝えるエバンジェリスト(伝達者)の役割も果たす必要があります。病院の最大派閥である看護部に対して、特に丁寧に説明をする必要があると思います。私自身、看護部の看護師長が集まる会や各病棟での会議等参加してヒアリングし、内容によっては病院方針を交えて交通整理を行う場面もありました。病院はどうしたいと思っているのか、だから今自分たちは何をすべきか・・という論点で考えてもらうのです。もちろん公式な情報は当然看護部長や事務長に集まりますが、職員のマインドや様々な事案は当然その背景があるのでその背景を探るようにします。当然コメディカルの各所属長や現場スタッフにも同様に入って行きます。

 また地域包括ケアシステムの時代だからこそ、地域への発信も必要ですから広報へアイディアの提供やコンセプトの徹底なども目配せが必要です。特に地域の団体との連携は、地域連携室の業務範囲もありますが、直接 乗り出すのも一つの方法です。直接的に病院の方針や考え方などを伝えるよい機会にもなります。私は何度か地域のセミナーの講師も買って出て保険診療や介護保険、地域の医療行政を考えるような内容も織り交ぜ、だから自院の立場も私の言葉ではっきり伝えてきました。これからの病院事務屋は「引きこもり」ではいけません。院内の仕事は当然として、ドンドン外に出て情報の吸収と発信ができるようにしていかなければなりません。

 

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